美容室経営の「スタート」と「ゴール」~あなたは独立時の情熱を覚えていますか?~

「美容室経営におけるスタートとゴールとは何か?」 


この問いに、あなたは即答できるでしょうか? これからサロン経営を始めようとしている方、あるいは既に経営者としてサロンを運営している方など、様々いらっしゃると思います。 しかし日々の業務に追われ、スタッフのことで頭を悩ませ、売上を上げることで必死になっている中で、ふと立ち止まって「自分のスタートとゴールは何だったのか?」と考えることは、意外と難しいかもしれません。 


様々な状況があるなかで、「スタートとゴール」を明確にすることが、経営においては非常に重要なことだと私は考えています。




スタートは独立時の情熱

経営におけるスタートは、独立の時の気持ちと言えるでしょう。 社員として働いている中で、独立という日を境に経営者になる。 


その時、ほとんどの人が借入を起こし、借金というリスクを背負ってスタートします。 なぜ、経営者になる方は、借金というリスクを背負ってまで独立するのでしょうか? その時、一体どのような思いがあったのでしょうか?



独立という物語

実は、この時の気持ちがスタートラインなのです。 借金というリスクを背負ってでも独立したい思いが、それぞれの経営者にはあったのです。


「マンツーマンで、自分の想いをお客様に100%注げるサロンワークをしたい」 「良い人財を育てて、美容業界を元気にしていきたい」 「撮影を積極的にやってクリエイティブなサロンを実現していきたい」 など、独立という物語に伴う想い=スタートラインがあるのです。



想いこそが最初のゴール

そして、経営という道を進みながら、開業時の想いを実現できるよう頑張っているのです。 ということは、独立を決めたときの想いが、まず目指すべき最初のゴールだと言えるでしょう。 もちろん、ゴールというのは、常に変化していきます。


時にはもっと大きなものにもなりますし、時にはより時間がかかることになっていくでしょう。 しかしながら、経営者が独立を決めたときの想いがスタートライン、想い実現していくことが一つのゴールであるということは事実です。





原点回帰の重要性

このような背景から、常に自分の原点は何であったのか? そして原点に立ち返ったうえで本当になし得たいことは何なのか? ということを考えていくことが重要なのです。 


原点であり、ゴールとなるもの。 つまり経営者自身の想いの実現が、経営において真に大切なことの一つと言えるでしょう。



日々の業務に追われる中で

時にはスタッフマネジメントの問題で頭が一杯になってしまうかもしれません。 時にはお金のことが頭をよぎってしまうかもしれません。 しかし、改めて「なぜ独立をしたのか?」「独立をして何を成し遂げたかったのか?」を定期的に振り返る時間が必要です。


この時間のことを「ピットインタイム」と言います。 ピットインとは自動車レースなどで、給油や修理のために自動車が各チームのガレージに入ることです。 ピットインを行うことで、ガソリンを補充や新しいタイヤ交換をして、車のパワーを最大限発揮できるようにします。 




反対にピットインをしなければ、いつかガス欠になって止まってしまったり、タイヤが摩耗しスリップして事故が発生してしまいます。 経営も同様です。 定期的なピットインをすることによって、良い状態で運営していくことができるのです。



振り返りから生まれる活力

ピットインという振り返りをしていくことにより、今やるべきことも見えてくるでしょう。 そして、やるべきことが明確になればなるほど、スタートでありゴールとなるもの=自分の想いが叶いやすくなるのです。 改めてご自分の気持ちと向き合うことが、大切ですね。


何よりもピットインタイムを確保するということが重要です。 結局タイムマネジメントができなければ、何事もうまくいきません。 勇気を持って時間を確保するという決断をしていきましょう。


私自身も、経営コンサルタントとして多くの経営者と接する中で、彼らの「想い」に触れるたびに、心を揺さぶられます。 経営者は決して楽な道を選んだ訳ではありません。 むしろいばらの道を歩んでいます。 多くの苦労や困難を乗り越え、今もなお、自分の「想い」を実現するために、日々奮闘しています。




私自身、「美容業界の夜明けを実現する」という志があります。 そしてそのために、DLAの学びを全国の経営者・リーダー・美容の仕事に従事する熱い気持ちを持った方々に届けるという活動をしています。 この活動が良いものとなるよう、ピットインタイムを取り自分の原点とゴールに向き合ってまいります。



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