美容室経営者は知っておくべき「バケツの穴」理論 ~リピート率向上は新規集客より重要?~
「うちのサロン、新規のお客様は来るんだけど、なかなかリピートに繋がらないんだよな…」
多くの美容室経営者や店長が抱える悩みではないでしょうか?新規集客に力を入れているのに、なぜか売上が伸びない。そんな時、あなたは「バケツの穴理論」を思い出してください。
美容業界の厳しい現状
美容業界では、リピート率が高いことがビジネスの成功の鍵となります。その背景には、お客様の数に対してサロンの数が多すぎる、いわばオーバーストア状態であることが大きな影響を与えています。さらに、これまでのデフレの影響が尾を引き、低価格サロンが台頭したこともあり、新規集客がより一層難しくなっているということも気を付けていかなくてはいけません。
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つまり、お客様の数はある程度一定なのにも関わらず、サロンが多すぎるため、一店舗当たりの集客数が昔に比べると減ってきているのです。ですから、どうしても「新規は大切だけれども、顧客の流出を防ぎましょう」という話になりやすいのです。もちろん、新規集客も必要ですし、顧客の流出を防ぐことも重要です。しかし、優先順位をつけるとしたら、どちらがより重要でしょうか?
バケツの水汲みに例えて考えてみよう
今回は新規集客と顧客流出の関係性を、【バケツの水汲み】に例えてお話をしていきます。例えばバケツが一つあったとします。このバケツは【サロン】であるとイメージしてください。そして、このバケツに水を汲んでいきます。
これが【集客】です。バケツの器に水が沢山入ってこぼれるくらいになったら、サロンのキャパオーバー。もう水が入らないくらいバケツの中身が一杯である状態です。つまりお客様の予約が取れないくらい人気店ということですね。この状態は素晴らしい状態と言えます。
ほとんどのサロンが抱える悩み
しかしながら、ほとんどのサロンがこの状態には達していないのです。どんなに沢山の水を汲んでも、バケツは満杯にならないのです。言い換えれば、多額の広告費をかけて新規集客しても、リピーターがなかなか増えないため、サロンの空き枠が発生している状態です。
バケツの穴=失客の原因
この原因は何でしょうか。それは【バケツの穴=失客の原因】があるのです。この穴の開いたバケツに水を汲んでも、そう簡単には水は満杯になりません。バケツの穴を塞がない限り、いつまで経っても水は抜け漏れてしまうのです。しかもこのバケツの穴の数・穴の大きさが水が抜け漏れるスピード=失客率に影響します。
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バケツの穴と失客率
更には穴の位置がどこにあるかも考えなくてはいけません。例えば、バケツの穴が上の方にあるのと、底に近い位置にあるのと、どちらの方が水は溜まりにくいでしょうか。答えは簡単ですね。バケツの穴が底に近い位置にあればある程、水は溜まりにくくなるのです。ちょっとでも水を入れれば、すぐに穴の位置に至ってしまい、その瞬間に水が抜け漏れているということです。
この【バケツの穴】はサロンにおける失客原因です。【バケツ穴が大きい】ということは、失客する可能性が大きい=大ダメージとなりうる原因があるということです。【バケツの穴の数が多い】ということは、その分失客原因がそもそも多いということです。
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穴の位置が示すもの
では、バケツの穴の位置はどのような意味があるのでしょうか。先ほど述べたように、バケツの穴の位置が底に近ければ近いほど、水はたまらない=失客するということでした。これはつまり、底に近い位置にあるということは、接客業の基本ができていないと言えるでしょう。
接客業の基本ができていないというのは、笑顔や挨拶、5S(整理・整頓・清掃・清潔・習慣化)、お客様に対する言葉遣い、タバコのにおいなど、基本中の基本ができていないことを意味します。要するに接客業として失格レベルの仕事であると言えます。しかしながらこの【失格レベル】と言えることが、意外と改善できていないことが多いのです。すなわち、サロンというバケツの底に最も近い位置にバケツの穴が開いている状態を放置しているのです。
穴を塞ぐことから始めよう
ここをまずは塞がないといけません。それができなければ、どんなに多額なお金をホットペッパーにかけて大量集客しても、結局はリピートしませんので、本当の人気店になることは無いでしょう。
集客自体はお金をかける必要がありますが、このバケツの穴を塞ぐこと=失客原因を減らしていく取組み自体は、お金をかけずにできる事ばかりなのです。その点に気が付いて、いち早く取り組んだサロンは良い変化が生まれていくでしょう。
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好循環を生み出すために
バケツの穴を塞ぐ=失客原因を押さえ、新しい水を溜める=新規のお客様を顧客化するということができるようになります。まずは、ご自身のサロンにどのようなバケツの穴が開いているのかを確認していくところから始めていきましょう。その地道な取り組みを積み重ねていくと、お客様の失客が減っていきます。
最後に
今回は、「バケツの穴理論」を通して、リピート率向上の重要性についてお話しました。新規集客も大切ですが、まずは「バケツの穴」を塞ぐことから始めましょう。それが、お客様に長く愛されるサロンを作るための第一歩となるはずです。